セミナー情報
骨格筋におけるインスリン代謝・シグナル伝達経路のシステム生物学
演題 | 骨格筋におけるインスリン代謝・シグナル伝達経路のシステム生物学 |
講演者 | 国田 勝行 博士 (東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻黒田研究室 特任助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2017年2月7日(火曜日) 13:30~14:15 |
場所 | バイオサイエンス研究科 大セミナー室 |
内容 | 細胞は増殖因子やホルモンなどの環境刺激を入力して受け取り、細胞内シグナル 伝達経路を駆動することにより増殖や分化、代謝などの細胞機能を制御している。ホ ルモンの1つであるインスリンは、脂肪、肝臓、骨格筋に作用し、細胞内シグナル伝達 を介して代謝やタンパク質合成を制御している。また血中インスリンは、食後一過的に 増加する追加分泌や平常時の基礎分泌、約15分周期の振動性の分泌など複数の特 徴的な時間パターンが存在しており、それらの生理学的な重要性が指摘されている。 先行研究として、我々はインスリン時間パターンが、細胞内のシグナル活性に多重 コードされ、代謝やタンパク質合成などの細胞機能を制御していることを報告している (H. Kubota et al., Mol Cell, 2012)。一方でインスリンシグナル活性の情報伝送や周期 変動に対するデコード機構はいまだ解明されていない。本発表では、これらの問題を 解明するための研究アプローチとして、インスリン入力強度(濃度)に対するとシグナ ル活性のShannon情報量解析と環境刺激の時間パターンを精密に制御するためのマ イクロ流体デバイスと蛍光ライブセルイメージングを融合した細胞刺激-出力計測系の 開発について紹介を行う。最後に蛍光ライブセルイメージング、マイクロ流体デバイス、 数理モデリングの要素技術をシーケンシャルに融合させて、骨格筋におけるインスリン 代謝・シグナル伝達経路のオンライン制御(invivo-insilico再構成)へ向けての将来展 望について議論を行う。 |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |