セミナー情報
細胞の挙動から探る植物の器官発生の制御機構
演題 | 細胞の挙動から探る植物の器官発生の制御機構 |
講演者 | 郷達明博士(神戸大学大学院理学研究科 特命助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2016年4月18日(月曜日) 13:00~13:45 |
場所 | L12会議室 |
内容 | 植物細胞は細胞壁を持つため,細胞の変形や移動が制限されている.この制限の中でも,細胞分裂のタイミングや方向,細胞分化などの挙動を制御することによって,様々な形状および機能を持った多細胞からなる器官が構築される.そのため,器官を構成する個々の細胞の挙動を適切に制御することが器官構築に重要であるが,その機構は未解明な点が多い.シロイヌナズナの側根形成は,根の内部にあるわずか数個の細胞から,主根とほぼ同様な構造が形成されるため,器官発生における細胞挙動を解析するよいモデル系である.これまでに私は,側根形成における情報伝達カスケードの解析から,細胞極性や分裂方向の制御機構を明らかにしてきた.さらに,発生過程を顕微鏡下で経時的に観察する系を確立し,細胞内オルガネラの挙動,細胞分裂,細胞形状の変化,遺伝子発現などを統合的に解析することによって,断片的な画像だけからではわからないダイナミックな器官発生のプロセスを捉えることを可能にした.本セミナーでは,側根の形成開始における非対称分裂,および,その後の新たな分裂組織の構築機構について,これまで得られた成果を紹介するとともに,今後の研究の方向性や課題について議論したい. |
問合せ先 | 構造生物学 箱嶋 敏雄 (hakosima@bs.naist.jp) |