セミナー情報
癌の初期播種:EMTから考える
演題 | 癌の初期播種:EMTから考える |
講演者 | 佐邊 壽孝 教授 (北海道大学大学院医学研究科生化学講座分子生物学分野) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2011年4月8日(金曜日) 16:00~2011年4月13日(水曜日) 14:17 |
場所 | バイオサイエンス研究科 大セミナー室 |
内容 | 癌の悪性度はその浸潤転移に起因する。浸潤や転移は、従来、癌が十分悪性度を増してから起こるものと考えられて来たが、最近、乳癌において、発癌の初期段階からでも全身性の播種が高頻度で起こる事が、患者の病理標本解析、並びに、モデルマウス解析から証拠立てられた。このような初期播種癌は悪性度が十分進行していない事から、播種先においてすぐさま癌的増殖を起こさない。しかし、稀に生き残り、数年から十数年を経て、さらなるゲノム変異の蓄積や周囲環境との相互作用などにより転移として現れるものがあると考えられている。このような初期播種に起因する転移癌は原発部位とはその性質が同一ではなく、今後の癌治療に大きな問題を提示している。ここでは、初期播種が起こる分子機構に関して様々な文献的知見や私どもの結果を交え考察したい。 |
問合せ先 | 動物遺伝子機能 川市 正史 (mkawaich@bs.naist.jp) |