研究成果の紹介
相田光宏特任准教授が(財)武田科学振興財団より2009年度「生命科学研究奨励」の対象者に選ばれました
GCOE形態統御機構研究グループの相田光宏特任准教授が、(財)武田科学振興財団の2009度「生命科学研究奨励」の対象者に選ばれました。本研究奨励は、生命科学分野(医学・薬学を除く)において独創的且つ顕著な研究を対象とするものです。
助成受託のコメント
この度は武田科学振興財団「生命科学研究奨励」の助成を賜り、大変ありがたく思うと共に光栄に存じます。今回の助成の対象となる研究は、植物の地上部器官のおおもととなる組織の形成機構に関するもので、植物の成長・発生を理解する上での鍵となるプロセスです。今後も、この研究をよりいっそう発展させて実りあるものにしたいと思っています。
助成受託研究テーマ
高等植物の茎頂における幹細胞の形成機構
生物の体づくりには、様々な細胞に分化する能力を持った幹細胞と呼ばれる細胞群が重要な役割を果たしています。植物では、幼植物体の先端部(茎頂) に幹細胞があり、これが地上部のほぼ全ての器官をつくり出しています。本研究ではこの茎頂幹細胞が形成される過程である胚発生に焦点を当て、幹細胞形成の鍵となる転写因子CUC1、CUC2、CUC3とそれらによって発現が制御される下流因子の機能を解析することで、植物の成長・発生の出発点となる重要なプロセスの制御機構の解明を目指します。
関連する論文
- Karim, M. R., Hirota, A., Kwiatkowska, D., Tasaka, M. and Aida, M. (2009) A Role for Arabidopsis PUCHI in Floral Meristem Identity and Bract Suppression. Plant Cell 21, 1360-1372.
- Aida M, Tasaka M (2006). Genetic control of shoot organ boundaries. Curr Opin Plant Biol 9, 72-77.
- Aida M, Tasaka M (2006). Morphogenesis and patterning at the organ boundaries in the higher plant shoot apex. Plant Mol Biol 60, 915-928.
- Hibara K, Karim MR, Takada S, Taoka K, Furutani M, Aida M, Tasaka M (2006). Arabidopsis CUP-SHAPED COTYLEDON3 regulates postembryonic shoot meristem and organ boundary formation. Plant Cell 18, 2946-2957.
- Nikovics K, Blein T, Peaucelle A, Ishida T, Morin H, Aida M, and Laufs P (2006). The Balance between the MIR164A and CUC2 Genes Controls Leaf Margin Serration in Arabidopsis. Plant Cell 18, 2929-2945.
- Kwon CS, Hibara K, Pfluger J, Bezhani S, Metha H, Aida M, Tasaka M, Wagner D (2006). A role for chromatin remodeling in regulation of CUC gene expression in the Arabidopsis cotyledon boundary. Development 133, 3223-3230.
(2009年11月20日掲載)