研究成果の紹介
池田陽子特任助教が、日本財団の平成22年度笹川研究助成の対象者にに選ばれました
GCOE植物生殖遺伝学研究グループの池田陽子特任助教が、日本財団の平成22年度笹川研究助成の対象者に選ばれました。笹川研究助成は、人文・社会科学及び自然科学分野で活躍する35歳以下の研究者を対象とするものです。
助成受託のコメント
この度は日本財団から笹川研究助成を頂くことになり、大変ありがたく思っています。この機会を活用して、さらに研究を発展させていきたいと思います。
助成受託研究テーマ
シロイヌナズナ単離生殖細胞核を用いたDNA脱メチル化時のクロマチン構造の解析
DNAメチル化は遺伝子の発現のON、OFFの制御に密接に関与していることが知られている。しかしながら、DNAメチル化情報の「除去」機構の詳細は長い間謎とされてきた。最近、メチル化DNAの除去と塩基除去修復系の関与が明らかになってきたが、まだ不明な点が多く残されている。我々は、これまでに、シロイヌナズナを用いた遺伝学的研究により、DNAの脱メチル化過程に、クロマチンの構造変化に関わる因子が関与することを明らかにしてきた。しかし、DNAの脱メチル化がおこる(生殖細胞の1つである)中央細胞は単離が難しく、中央細胞におけるDNAの脱メチル化の際のクロマチン構造の解析は困難である。そこで、今後、大量に均一な単離中央細胞を得る方法を確立し、DNA脱メチル化の際のクロマチン構造を解析することを計画している。
関連する論文
- 「DNA demethylation: a lesson from the garden.」 Yoko Ikeda and Tetsu Kinoshita 『Chromosoma』vol 118, no 1, pp37-41, 2009
- 「4-2ゲノムインプリンティング」 池田陽子、木下哲『細胞工学別冊 植物細胞工学シリーズ 24 植物のエピジェネティクス』秀潤社, pp129-135, 2008
(2010年07月20日掲載)