研究成果の紹介
分子発生生物学講座の田所竜介助教がコスメトロジー研究振興財団の「コスメトロジー研究助成」対象者に選ばれました
分子発生生物学講座の田所竜介助教が、財団法人 コスメトロジー研究振興財団の 「コスメトロジー研究助成」 対象者に選ばれました。コスメトロジー(化粧品学)の進歩・発展に寄与する独創研究に対して与えられるもので、国民の保健衛生の向上を図り、美しく豊かな人間生活の実現に寄与することを目的とするものです。
田所竜介助教の助成受託へのコメント
この度は財団法人コスメトロジー研究振興財団より「コスメトロジー研究助成」を賜りまして、光栄に存じます。まだ萌芽的な段階ではありますが、今後、この研究をよりいっそう発展させて実りあるものにしたいと思っています。
助成受託研究テーマ
「新規ライブイメージング法を用いたメラニン色素輸送の解析」
ヒトの表皮は強い日差しを浴びることにより褐色に日焼けしますが、このとき表皮の中において、色素細胞により合成されたメラニン色素が周囲の表皮細胞に輸送されるというダイナミックな現象が起こります。メラニン色素が表皮細胞に輸送されるという事実は、古くから知られていましたが、その輸送過程については長らく不明でした。我々は、トリ胚表皮を用いて新規ライブイメージング法を立ち上げ、表皮内においてメラニン色素が色素細胞から放出される膜小胞によって、表皮細胞に輸送されることを明らかにしました。加えて、毛組織においては、色素細胞の仮足が切断されることで多数の色素が一度に輸送される可能性を見出しました。本研究では、これらの観察結果に基づき、メラニン輸送を組織ごとに包括的に理解することを目的としています。
(2011年01月28日掲載)