研究成果の紹介
システム微生物学研究室の近藤恒平さん(博士後期課程3年)が「ASM Microbe 2018」において「NEB Gisela Mosig Award」を受賞しました。
システム微生物学研究室の近藤恒平さん(博士後期課程3年)が「ASM Microbe 2018」において「NEB Gisela Mosig Award」を受賞しました。
受賞のコメント
この度は名誉あるNEB Gisela Mosig 賞を受賞させていただき大変光栄に思います。本研究においてご指導賜りました森 浩禎教授、武藤 愛助教をはじめ日頃よりお世話になっております森研究室の皆様に感謝申し上げます。この賞を励みにさらに邁進する所存です。
受賞内容
「Systematic analysis of T4 phage & Escherichia coli interaction」
T4ファージは1940年代から集中的に研究が行われてきたモデル生物であるが、感染サイクルの全貌解明には至っていない。本研究では、大腸菌の一遺伝子欠失株コレクション(Keio collection)を用いて、T4ファージの増殖に影響 を与える大腸菌側の遺伝子群について調べた。大腸菌の転写因子や翻訳に関わる遺伝子を欠失した株では、ファージ合成量や増殖速度に影響を与えることが示された。また、不活化された遺伝子群のプロファージの遺伝子の欠失により、T4ファージの合成量が減少することが本研究により始めて示された。得られた候補株の中には、バイオフィルムの合成量が野生型よりも増加していた。また、候補株のバイオフィルム内に存在するたんぱく質を調べたところ、野生型と発現パターンが異なっており、バイオフィルムの量や存在するたんぱく質の種類の変化がT4ファージへの感染に影響を与えることが示唆された。
これらの研究成果がASMに評価され、NEB Gisela Mosig賞が授与された。
ASM Microbe 2018
https://www.asm.org/index.php/asm-microbe-2018
【システム微生物学研究室】
研究室紹介ホームページ:http://bsw3.naist.jp/courses/courses302.html
研究室ホームページ:http://biodata.naist.jp/index.php/ja-jp/
(2018年06月22日掲載)