研究成果の紹介
バイオサイエンス研究科応用免疫学研究室の臼井 文人 さん(博士後期課程3年)が「第64回日本生化学会近畿支部例会」において「優秀発表賞」を受賞
バイオサイエンス研究科応用免疫学研究室の臼井 文人 さん(博士後期課程3年)が「第64回日本生化学会近畿支部例会」において「優秀発表賞」を受賞
受賞コメント
この度は、第64回日本生化学会近畿支部例会において、優秀発 表賞を受賞することができて大変嬉しく思います。この賞をいただくことができたのも、新蔵礼子教授、中西慶子助教授をはじめとした研究室の皆様のご指導のおかげであると思います。今後より一層研究に取り組んでいきたいと考えています。
受賞内容
腸管IgA抗体が認識する腸内細菌の共通抗原解析
腸管に分泌されるIgAは、粘膜面の第一線防御に重要と考えられてきたが、具体的に腸内細菌をどのように認識し制御するかは明らかではない。そこで、本研究では腸内細菌のエピトープを解析することで腸管IgA抗体と腸内細菌の共生関係を明らかにすることを目的としている。
野生型マウスの腸管IgA産生細胞からハイブリドーマを作製し、多種類の腸内細菌に対して強く結合するモノクローナルIgA抗体(W27)を得た。W27 IgA抗体は大腸菌のserine hydroxymethyltransferase (SHMT)を認識し、N末に存在する4アミノ酸(EEHI)を特異的に認識した。また、W27 IgA抗体は大腸菌のSHMTを特異的に認識することで、大腸菌の増殖を抑制した。
これらの結果から、SHMTは腸管IgA抗体が腸内細菌をまとめて制御するための鍵となる分子であると考えている。
第64回日本生化学会近畿支部例会
http://conference.wdc-jp.com/jbs-kb/2017/index.html
研究室紹介ページ:http://bsw3.naist.jp/courses/courses213.html
研究室ホームページ:http://bsw3.naist.jp/shinkura/
(2017年05月31日掲載)