NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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NAIST成果発表会・学生募集説明会を京都で開催しました

平成21年12月19日 メルパルク京都(京都駅前)にて『奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科成果公開発表会「NAIST遺伝子 - 奈良先端バイオの研究人材育成力」』を開催しました。

永井さんは学部学生のときにはじめて細胞内でシグナルを伝達するGタンパク質を知り、そのおもしろさを追求するために奈良先端大学に進学しました。伊東教授の指導のもと、これまでにGタンパク質の全く新しい機能を発見したのでその成果を発表しました。

植物は光合成によって太陽の光エネルギーを生物が使える形に変換しています。宗景助教は植物が光エネルギーを効率的に使うためにどのようなしくみがあるかを紹介しました。宗景助教の指導をうけて研究している三田さんは乾燥・強光条件でも枯れない野生種スイカの研究を紹介しました。通常、植物は乾燥条件下で強い光があたると、枯れてしまいます。アフリカに自生する野生種スイカはいくつかの手段で生き延びます。そのひとつが、シトルリンというアミノ酸を体内にためて、乾燥・強光条件で賛成されるフリーラジカルを中和してしまうというしくみです。

卒業生の西野さんは現在、企業でさまざまな化学物質の産生に携わっています。そのひとつがダイペプチドです。ダイペプチドは2つのアミノ酸がつながった化合物であり、もちろん天然にも存在しますが、これまではその有効利用はおこなわれてきませんでした。微生物を使って特定のダイペプチドを大量に生産できるようになったので、いろいろなところで利用されるようになってきています。

柴助教は植物の自家不和合性の研究で今年度の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞されています(http://www.naist.jp/pressrelease/2009/04/002343.html)。多くの植物は多様性を保つために自家受粉を防ぐ機構(自家不和合性)を持っています。柴助教はDNAのメチル化がそのキーであることを発見しました。

それぞれの講演に対して活発な質疑応答があり、レベルの高い議論がなされとても有意義な成果発表会でした。講演会のあとの個別進学相談会では、参加者が講演者や本研究科の学生と熱心に語り合っていました。

発表者と演題(プログラム順)
  • 永井 裕介 さん
    『ホルモン応答における新たな調節機構:G蛋白質のユビキチン化とRic-8B』
  • 宗景 ゆり さん
    『光エネルギーを上手に使う植物たち』
  • 三田 智子 さん
    『乾燥・強光条件下でも生き延びる野生種スイカ』
  • 西野 恒代 さん
    『企業で研究するとは』
  • 柴 博史 さん
    『アブラナの自他認識に関わるエピジェネティックな遺伝子発現制御』

(2010年01月14日掲載)

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