卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
西野 恒代 さん
- 協和発酵バイオ株式会社 バイオプロセス開発センター
- 2007年度(修士) 細胞間情報学
微生物を相手に毎日を一生懸命、また楽しく過ごしています。
私の働いている協和発酵バイオ株式会社は、発酵技術を用いたアミノ酸、核酸関連物質、医薬品原料の生産、健康機能性食品素材の提供を行っています。その中で、私は茨城県つくば市にある研究所にて、微生物・酵素を用いた新規素材生産の確立を目指し、培養条件検討や菌株改良などの基盤研究をしています。大学では植物を使っていたこともあり、会社に入ってからは毎日が新しい経験の連続で、入社からの2年半は本当にあっという間でしたが、微生物を相手に毎日を一生懸命、また楽しく過ごしています。このように、仕事として研究を続け、取り組めている自分があるのは、奈良先端大での多くの『自由』の中で、研究・プライベートに対して幅広く学ぶことができたからだと思います。
私は通常とは異なり、修士1年では植物細胞工学講座に所属、修士2年からは細胞間情報学講座に籍を置かせていただき、研究を続けました。私自身は2年間、植物の小胞体ストレス応答について研究していましたが、このテーマは細胞間情報学講座が対象としている植物の研究分野とは異なっていました。しかし、先生方をはじめ、講座の皆さんには大変お世話になり、むしろ新しい切り口からご助言をいただきながら、研究に取り組ませてもらいました。根っから頑固で意地っ張りな性格の私ですが、この経験から、ひとつの視点に固まらないためのディスカッションの大切さ、人の意見を聞く重要性を学ぶことができました。プライベートでは、様々なバックグラウンドの同期との出会いを楽しみました。入学した目的、目標、希望進路が異なることで、研究に対する取り組み方も異なり、お互いの話をする毎日が新鮮でした。この、生徒のバックグラウンドに囚われない自由さ・多様性も奈良先端大の大きな魅力だと思います。また、私は学内にある寮で生活していたので、時間に縛られずに満足するまで実験に取り組むことができました。
奈良先端大を卒業した現在では、学会や論文などで奈良先端大の研究・先生方の影響力を再確認しています。また、研究にとどまらず、奈良先端大卒業生の方とご一緒させていただく機会が多く、どこにいても、どんな職業でも、奈良先端大での経験・繋がりは続いていくのだと感じています。
これから奈良先端大へ進学される方には、ぜひ多くの奈良先端大の自由を活用し、2・5年間という時間を充実させ、盛りだくさんの経験をしていただきたいです。
【2010年10月掲載】