NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

松尾 芳隆 さん

  • Heidelberg University BZH Germany
  • 2005年度(博士) システム細胞学

科学は、語学や文化と違って世界共通だと感じています。

松尾 芳隆さんの近況写真

私が奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)という存在を知ったのは、大学4年生の初めでした。大学で化学を専攻していた私は、大学院では生物学をという思いがあり、生物学のバックグランドがない者にも積極的に門戸を開いている場所を探していました。そこで出会ったのがNAISTです。

私にとって、NAISTでの学生生活は大きく分けて3つありました。研究室に所属するまでの3ヶ月間、研究室に所属してから修士号を取得するまでの1年9ヶ月、そして博士課程の3年間です。最初の3ヶ月は、講義や少人数でのグループディスカッションによって生物学の基礎を学ぶ期間です。NAISTには、私のような分野外の者がたくさん入学してくるため、それに配慮して、講義で扱う教材は非常に基礎的なものでした。大学で生物学を4年間学んだ者にとっては、非常に物足りない内容(取り扱われる題材、知識量)なのかもしれませんが、分野外の者が生物学的思考を身につけるためには十分であり、非常に効率的でした。その後、私は小笠原直毅教授のシステム細胞学講座に所属し、修士、博士課程と研究生活を送ることになります。当時の研究生活を思い返すと、プレゼンテーション能力や文章執筆能力に加え、修士課程では個々の実験データの解釈、博士課程では個々の実験データを組み合わせ、1つのストーリーに仕上げるための能力が自然と身に付いていった気がします。また、博士課程在籍中に参加した国際学会での体験が、世界(海外)との距離を縮め、海外へ活動拠点をのばすきっかけを与えてくれました。

現在はドイツのHeidelberg大学でポスドク生活を送っています。こちらに来て感じることは、科学は、語学や文化と違って世界共通だということ、そしてそのベースは全てNAIST時代に得ることができたということです。

写真の説明
研究室の集合写真(前列左端が筆者)

【2010年04月掲載】

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