卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
原 光二郎 さん
- 秋田県立大学 生物資源科学部 生物生産科学科,助手
(→秋田県立大学 生物資源科学部 准教授) - 1999年度(博士) 植物細胞工学
バイオサイエンス研究科の建物がまだ半分もできてなかった頃、第二期生として入学しました。植物の遺伝子を研究したいという漠然とした考えだけで進学しましたが、なぜかやる気だけはありました。修士・博士課程を通じて植物の傷害に対する防御応答の研究を行い、学位取得後は、できたばかりの秋田県立大学に二期目のスタッフとして赴任しました。現在,地衣類という共生生物を研究対象にしています。
大学院生時代は、実験をして、論文読んで、セミナーや学会の準備をして、息抜きにサッカーしたり飲みに行ったりしてるうちに、あっという間に過ぎた気がします。
あの頃はただ実験さえしてれば良かった気がしますが(それはそれで大変ですが)、大学教員になって初めて、研究に必要な事務書類や手続きなどが結構あるなぁ、と感じました。教育・研究以外の大学運営や地域貢献に関する事も重要な仕事だと分かりました。また,教わる側から教える側に立場が変わった訳ですが、多様な学生を相手にするのはなかなか大変です。学生の不安や悩みに対しては、決まったプロトコールなどありませんし、自分の経験の浅さを痛感しています。できることからやっていこうと思っています。
講義は年にまだ2- 3コマですが、毎年新しい話題が必ず入るように工夫しているつもりです。その他、院生・学部生の研究指導、講座ゼミ、学生実験などをやりつつ、自分の研究も行なってます。
現在の研究対象の地衣類は培養することもできますが、あちこちに採集に行く機会も多いです。休日には観察会を催したりもしています。そういえば,院生時代に講座旅行で寄った奈良県南のある滝の前の木の枝にサルオガセという地衣類の一種を見かけたことを思い出します。その当時は地衣類について全く知識が無かったのですが、現在では再び訪れてみたいと思っています。
講座旅行以外にも、気の合う仲間とよく旅行にも行きました。最近は、学会で会う程度になってしまいましたが、やはり院生時代の友人・先輩・後輩らとの人間関係が一番の財産だと思います。
先端大で学んだ研究技術やこれまで築いた人間関係をうまく活かして、今後も研究・教育・地域貢献に励んでいきたいと思っています。
【2005年07月掲載】