NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

若崎 由香 さん

  • 広島県立総合技術研究所食品工業技術センター
  • 1998年度(修士) 細胞間情報学
若崎 由香さんの近況写真

私は現在広島県の公務員として、広島県立総合技術研究所食品工業技術センターで、『凍結含浸法』という技術を使った研究をしています。当センターで開発されたこの技術は、見た目はそのままで舌で簡単につぶせるくらい食材を軟らかくするというものです。細かく刻んだ食事やミキサーでドロドロにした食事しか食べられない高齢者などの方々が、見た目は健常者と同様の食事を取ることが可能になると、全国から注目されており、とてもやりがいのある仕事です。

しかし、私は初めからこの部署に配属されたわけではありません。採用から数年は事務職で、研究職へは3年前に異動となりました。現在の所属に配属されたのは昨年度からです。NAIST在学中は細胞間情報学講座で植物病原菌の感染機構について研究していましたので、食品工業は全く分野が異なり、当初はずいぶん戸惑いました。しかし、分野が違っても、研究計画の立て方や実験の進め方など、基本的な部分は同じではないかと思います。実際、奈良先端大で学んだことが今の私の仕事のベースになっていると、いつも実感しています。

修士課程の2年間は、決して長くはありませんが、多くのものを得ることができました。奈良先端大は、優秀な先生方による指導のもと、充実した機器を存分に利用して最先端の研究に取り組むことができるという、大変恵まれた環境です。それだけに、当時は人生で一番勉強した2年間だと思っていましたが、卒業してみると、まだまだ多くを得ることができたのに、と後悔も。これから奈良先端大に入学する皆さんは、恵まれた環境を存分に利用して、得られる限りを得るつもりでいてください。

勉強ばかりではありません。細胞間情報学講座は、とてもアットホームな講座で、みんなでご飯を作って食べたり、ハイキングや伝統行事を見に行ったり、真夜中に突然おでんを食べに行ったりと、盛りだくさんのイベントがありました。講座間の交流も盛んで、他講座の学生がイベントに参加するのは当然でした。また、先生方や先輩や同期とは、今も親しくさせてもらっています。これから入学する皆さんも、奈良先端大でたくさんの人とつながりを作ってください。必ず将来大きな財産になります!

【2009年07月掲載】

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