卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
前川 真吾 さん
- 京都大学情報学研究科
- 2002年度(博士) 分子発生生物学
私は京都大学農学部を卒業後、バイオサイエンス研究科の三期生として修士課程に入学しました。入学前に大学を訪れた頃はまだ事務棟やバイオサイエンス研究科のビルが建設中で、ここで研究ができるのだろうかと一抹の不安を覚えました。実際に入学してからは、生物学の基礎から徹底的にご指導いただき、私の覚えた不安は杞憂であったと知りました。入学後様々な先生方のお話を伺い、発生生物学に興味を覚えた私はほとんど予備知識もないままに安田國雄先生の講座に飛び込みました。その後、安田先生、梅園先生、高橋先生、井上先生、荻野先生という先生方に囲まれ、厳しくご指導いただきました。講座の先生方、先輩方や後輩たちの叱咤激励を受け、ゼブラフィッシュをモデルとした始原生殖細胞の発生過程の研究を行い、博士号を取得しました。今、当時を振り返ってみると、辛く苦しく、そして、楽しい日々でした。学位取得後、私は博士研究員として米国ペンシルバニア州フィラデルフィアにあるペンシルバニア大学で働くことになりました。実際、ペンシルバニア大学で5年間研究に没頭していましたが、その時に私を支えていたのは安田研で学んだ専門知識や技術でした。その後、京都大学情報学研究科の助教として採用され、帰国しました。現在私はゼブラフィッシュを用いた発生過程の解析に加えて、小林教授と共に単細胞原生生物を用いて行動制御の分子メカニズムを明らかにしようと日々格闘しています。
実際に大学院生を指導する立場になってみると、自分がいかに恵まれていたのか、また、先生方にお世話になっていたのかを痛感するとともに、指導する難しさをかみしめる毎日です。私が出会ったバイオサイエンス研究科の先生方は一流の研究者であり、かつ、一流の指導者でした。バイオサイエンス研究科に進学を考えている大学生の皆さん、何も不安に思うことなく、充実した研究環境、一流の先生方を使い倒して、研究に邁進してください。
最後に、私の所属する知能情報学専攻においても大学院生を募集しています。意欲的な学生の挑戦を待っています。詳しくは 京都大学 知能情報学専攻ホームページ をご覧ください。
【2009年04月掲載】