卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
千葉 美里 さん
- 株式会社カネボウ化粧品
- 2004年度(修士) 動物細胞工学
私が奈良先端大と出会ったのは学部4年の8月頃でした。学部では分子生化学を専攻し、生体内で起こるメカニズムについて興味がありましたが、自分は研究者に向いているのか、具体的に何を追究したいのか、自分の進むべき方向が見えていませんでした。そんな時に当時の研究室の先生から奈良先端大を教えていただき、見学に行って衝撃を受けたことを覚えています。実験に必要な十分すぎるスペースと初めて見る高度な機器や設備が充実しており、「ここで研究してみたい」という思いが高まり、進学することを決めました。
入学後は配属を希望していた動物細胞工学講座にて、ヒトの培養細胞を用いた研究を行い、修士課程卒業後約2年間、技術補佐員として疾患モデルマウスの作製や解析を行っていました。そして現在、株式会社カネボウ化粧品小田原工場の品質部に勤務し、化粧品出荷前の微生物検査と製造現場の衛生管理を主な業務としています。
こうして自分の経歴を見ると、学生時代と就職後では分野が違うため、一見断片的な気もしますが、私にとってNAISTライフは必要不可欠だったと思っています。興味を持ったことに熱中できた環境にいられたことが貴重な経験となり、自分の成長に繋がったと思います。修士課程においては興味があったメカニズムにアプローチできたこと、技術補佐員においてはマウスを用いた実験操作を習得できたこと、また、技官の方々と接する機会もあり、大学施設運営に携わることができたこと。
そして何より必要不可欠だったことは、研究室の枠を超えて仲間と出会えたこと。奈良先端大が学部を持たない大学院大学であるがゆえに、さまざまな分野から、いろんな目的を持った人間が集まるため、それはユニークな集団になります。興味があった化粧品業界を目指すことができたのは、志を熱く語る仲間の影響が少なからずあります。現在の職場では、微生物に関する知識だけでなく、装置の構造や製品の製造工程の理解など幅広い知識が必要とされ、毎日が勉強の日々ですが、ものづくりのメカニズムを解いているようで面白く感じています。
私の場合、「NAISTライフ=自分探し」でした。それが可能だったのは、研究室の先生方や先輩方のサポート・アドバイスがあったからであり、とても感謝しています。自分の目標が見えている人も見えなくて悩んでいる人も、大学院へ進学しようという意欲があれば、奈良先端大ではいろんな選択肢が見つかると思います。百聞は一見に如かず、です。まずはオープンキャンパスやインターンシップに参加してNAISTライフを体験してみてはどうでしょうか。
【2009年04月掲載】