NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

飯田 竜資 さん

  • 日本たばこ産業株式会社 R&Dグループ
  • 2003年度(修士) 形質発現植物学
飯田 竜資さんの近況写真

私は東京農工大学を卒業後、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科に2002年に入学し、卒業まで2年間を過ごしました。大学院の進学先として奈良先端大を選んだ理由のひとつは豊富な講座と優秀な教官がいるからです。どの講座も最先端の研究をしており、教官も世界の第一線で活躍している方ばかりです。私が所属していた形質発現植物学講座でも田坂教授の指導の下、遺伝子発現を網羅的に解析できる当時最先端ツールであったDNAマイクロアレイを用いて研究をすることができ、学会発表もさせてもらえました。

奈良先端大を選んだもうひとつの大きな理由は教育カリキュラムにありました。私が在籍していた時は、入学して直に生物学の講義と演習が毎日のようにありました。大学では分子生物学を専攻していなかったので、大学院から新しい分野に移ってやっていけるのか、周りの人と比較して大きく遅れをとるのではないかといった不安がありましたが、そのような心配は無用でした。様々な分野の教官による丁寧な講義や、学生同士で議論をしながら問題を解いていく演習を通して、短期間で分子生物学の深い理解を得ることができました。

現在は日本たばこ産業株式会社(JT)のR&Dグループに所属しており、たばこの煙を生物学的な見地から研究しています。具体的には、培養細胞や微生物を使った試験を実施し、たばこ煙の適正な評価を行うための試験系の確立を目指しています。たばこの煙は4000以上の成分が含まれているといわれており、その生物影響を明らかにし、評価していくことは非常に困難ですが、それだけに研究のしがいがある分野であると感じながら日々業務に取り組んでいます。

今はこのようにして企業の研究員として研究をしていますが、研究への取り組み方や考え方は奈良先端大にいた頃と大きくは変わっていません。将来企業での研究者を志望されている方にとって、奈良先端大の修士課程はバイオサイエンスの基礎を固め、研究者としての考え方を身に付つけることができる良い場だと思います。皆さんが奈良先端大で充実した研究生活を送り、将来へのステップアップとして良い経験ができればと思っています。

【2009年01月掲載】

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