NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

赤澤 真一 さん

  • 長岡工業高等専門学校 物質工学科 微生物化学研究室 助教
  • 2004年度(博士) 細胞機能学
赤澤 真一さんの近況写真

「高専」と聞くとロボコンを連想する人が多いのではないでしょうか?高専は高校と大学が一緒になった高等教育機関(最長7年一貫教育)であり、高専も大学と同様独立行政法人化されています。また大学同様研究室も存在します。

学部時代、私は応用化学科の生物系ラボに在籍し、GC、GC-MS、NMR等各種分析装置を駆使しながら微生物を利用し新規な香料を作るという研究を行ってきました。しかし、元々バイオレメディエーションに興味がありましたので、当時そのような研究を行っていた細胞機能学講座の谷教授(現高木教授)の門をたたきました。ただ実際の研究は糖尿病臨床診断用酵素に関する研究になりましたが(実はこの選択により様々な事を学ぶことができました)。

配属されたラボは自主性を重んじ、自らの力で切り開くという所でしたので研究はかなり苦労し、回り道を数え切れないぐらいした気がします。しかし、そのおかげで博士号を取得する頃にはラボにあった装置で扱えないものはないくらいになり、さらに幅広い研究を行っていた研究室でしたので知識の幅もかなり広がったと思います。また当時の私は他分野の研究にも興味を抱くこともあり、半年に一度ぐらい図書館にこもり、他分野の学会誌や研究誌をあさり興味ある部分はよくスクラップしました。ここでストックした資料は現在研究活動や学生指導に大変役に立っています。

さて、博士号を取得しCOE-PD等を行いながら次なる地を求めていたところに現高専よりお呼びが掛かりました。当時他大学のポスドクの内定も頂いており、研究所勤務等迷いましたが、私自身教育も好きでしたので教育・研究の両方ができる高専も魅力的な職場と感じ就職することに決めました。

長岡高専では助教であっても独立したラボを持ち、学生も配属されます ( しかし授業がメインですので研究は講義後が主となります ) 。独立したラボですから当然ラボの運営費も一人で賄わなければなりません!さらにスタート時の設備は皆無でした(シェーカーや遠心機も当然ない)。改めて思いました。奈良先端大はすごい!先生方はもっとすごいと。ただ私が恵まれていたのは在籍時に教授の紹介で始めた企業との共同研究をこちらで継続できたり、ポスドク内定先の先生や谷教授の紹介で近隣の大学の先生と共同研究を開始できたりと、これには本当に感謝しています。3年目となった今、設備も徐々に充実し、現在は学部、奈良先端大時代で培った経験をフルに生かし幅広く研究を行っています。もちろん大学とは異なり研究以外の仕事も多数ある職場ですが、ロボコン応援、海外引率等息抜き?もしながら楽しく過ごしています。また、学生が若いだけに吸収も早く、非常にやりがいを感じます。

奈良先端大での良き先生や先輩、友人との出会いはかけがいのないものとなりました。皆さんも入学した折にはたくさんの友人を作り、奈良先端大の設備をフルに活用し研究に励んで下さい。こんなにも恵まれた環境で研究できる時はそうはないと思いますよ。

(写真:前列中央が筆者)

【2008年07月掲載】

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