NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

坪田 智明 さん

  • マサチューセッツ大学医学研究科 Paul D. Kaufman研究室
  • 2003年度(博士) 原核生物分子遺伝学
坪田 智明さんの近況写真

はじめまして、坪田智明(としあき)です。僕は他分野出身です。高校では物理と化学を選択したし、大学は機械工学科でのほほんと過ごしていました。そんな僕にとって生物学は遠い存在でした。しかし大学3年生になり、そろそろ将来の進路をまじめに考えざるを得ない時期になって、心境に微妙な変化が生じました。このままでいいんか?何かやってみたいことはないんか、俺?ということで、ひとつ真剣に考えてみました。突飛なようだけど、当時の僕は「がん」という病に強い関心を持っていました。それで、できることなら、何故人は「がん」に罹るのか、そのメカニズムについて研究してみたい、と思ったのです。なので、僕が生物学を志したきっかけは「がんの研究」です。決心したはいいけど、次にやらないといけないことは他分野出身でも受け入れてくれるような、寛容な(ギャンブル好きな?)研究機関を探すことです。そこで見つけたのが、奈良先端大でした。奈良先端大が学生に求めているのは、何よりも"意欲的"なことでありました。それならいっちょ意欲を見せようと思って、見つけたその日から大学の図書館にこもって(1日15時間!!)生物学の独学を行い、翌年の受験で、本当に奈良先端大への入学が許可されたのでした。

入学募集説明会などで奈良先端大の研究環境や理念を説明されていたのが、真木寿治教授でした。真木研究室は“DNA複製と修復"についての研究を様々な生物を用いて活発に行っています(宣伝!)。これらの研究テーマは「細胞のがん化」とも関連しています。そんなわけで、テーマへの興味と先生の人柄に惹かれて(!?)、真木研にお世話になることに決めました。研究室では真木智子助手のもとで酵母のDNAポリメラーゼを用いた生化学について、みっちりとご指導して頂きました。その過程で、DNA複製とクロマチン構造の連関やその破綻から生じる細胞のがん化機構について特に興味を抱くようになり、米国にポスドクとして移った現在もこのテーマに関連した研究をせっせと行っております。真木先生と智子先生に教えて頂いた研究に対する姿勢や考え方をいつまでも大切に、今後も研究生活を送っていきたいですね。私を育ててくださった真木研の皆さんと奈良先端大には感謝の気持ちでいっぱいです。“意欲"のある皆さん、どうぞ奈良先端大の門をたたいてみてください!あなたの意欲に(ある程度)比例した未来がそこにあると思います。

【2007年10月掲載】

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