卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
原田 弥和子 さん
- 理化学研究所 発生・再生科学総合センター(現、多細胞システム形成研究センター)
- 2000年度(修士) 分子発生生物学
私は現在、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(現、多細胞システム形成研究センター)(CDB) にテクニカルスタッフとして勤務しています。CDBの特徴としては、同一センター内で、発生生物学の基礎研究とそれを応用した医学分野の研究が行われている点が挙げられます。これら研究領域の密接な相互作用により学術や医療へ幅広く貢献できると期待されています。CDBでは、国内外から選抜されたチームリーダーが各自グループを組織し、5年の任期で成果を出さなくてはなりません。研究者は新しい有意な結果を出すべく日々切磋琢磨することが望まれ、とても厳しい環境に置かれています。私の仕事は、その研究者が仕事をスムーズに進められるよう技術面でサポートすることです。経験豊富な研究者の方に色々な技術を教えていただきながら、知識と経験を蓄積し、特定分野のスペシャリストになることで研究室に貢献できればと考えています。さらに依頼された仕事を的確にこなすだけでなく、逆に実験方法などを提案できるようになるのが目標です。
バイオサイエンス研究科の学則に「分子・細胞レベルの最先端の手法を駆使して、多様な生物現象を解明するための基礎研究を推進するとともに、生体機能、生体物質、生態情報等の活用に関する研究開発に携る人材を組織的に養成する」とあります。私が卒業後の仕事としてこの分野に携りたいと感じたのは修士課程での研究生活がとても充実したものだったからです。
奈良先端大では、授業カリキュラムが充実しており、私も入学から約半年間に及び集中的な講義やセミナーを受けました。生物学の基礎知識を習得し、さらにそれを深めるための発表・討論の場において、よりわかりやすい発表方法を学ぶ機会が与えられ、それは大変有意義な内容でした。また、在学中は百名近い同期の友人達と交流することができ、研究室配属後も様々な分野における研究の話を聞くことでよい刺激をうけました。
分子発生生物学講座に配属されてからは、サイエンスについて熱く語れる人々に囲まれ、何か面白いことを見つけてやろうという研究に対する強い意気込みを日々感じることができました。実験手法はもちろんのこと、問題設定の仕方やその解決方法など本当にたくさんのことを学んだと思います。環境面においては、機器や設備が充実していること、敷地内に学生寮があること等、研究生活をサポートするためにあらゆることが整っており、大変恵まれていたと感じます。
今振り返ると、修士課程の二年間は自分の興味があることに対してがむしゃらに取り組めた貴重な時間でした。自分のああしたい、こうしたいという漠然とした希望を具体化することに対して惜しみないアドバイスやサポートをしてくださった方々に本当に感謝しています。
【2006年04月掲載】