NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

中村 匡良 さん

  • カーネギー研究所植物生物学科
    (→名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任講師)
  • 2008年度(博士) 植物遺伝子機能学

上質な出逢いに恵まれた環境

中村 匡良さんの近況写真

私は現在カリフォルニア州にあるカーネギー研究所植物生物学科で博士研究員として働いています 。カーネギー研究所は鉄鋼王と呼ばれるAndrew Carnegieが1902年に 科学技術を支援する目的で設立した研究所で、アメリカ国内に植物生物学、発生生物学、材質科学、天文学、環境生態学、地球惑星学の6つの研究分野を有しています。そのうちの2つ、植物生物学と環境生態学はスタンフォード大学内に立地しており、この研究所と位置する大学の風土に根付いたサイエンスの息吹を感じながら研究できる環境は素晴らしいものがあります。この何ものにも代えがたい経験は奈良先端大での出逢いがあったからこそです。

奈良先端大へは2003年に入学し、研究内容と人柄に惚れ橋本隆教授の植物遺伝子機能学講座(現:植物細胞機能研究室)の門を叩きました。 准教授や助教の先生方など学ぶべき人たちのもと、素晴らしい先輩方や同期後輩に囲まれ、研究者として人として充実した日々を過ごせたことを感謝しています。研究科では各分野の第一線で活躍されている研究者によるセミナーが定期的に開かれており、参加することにより自分の分野だけにとどまらない広い視野を養うことができました。さらに、研究科の同期やサッカーを通じて知り合った研究科の枠を越えた友人の存在も見識を拡げるには十分なものでした。構内には充実した実験施設を自由に利用できる環境があり、それらを用いた世界最先端の研究を行えることがこの大学院大学の魅力の一つであると思います。是非とも利用されることをお薦めします。 また、在籍中はグローバルCOEなどのサポートを受け、国際学会での発表や海外での共同研究などの貴重な機会に恵まれました。幸運にも与えていただいた、それら機会の中での縁が現在の研究に繋がっています。

現在は植物細胞内でのセルロース合成酵素や微小管の生細胞イメージングの第一人者であるDavid Ehrhardt博士の研究室に所属し、大学院時代に魅せられた細胞内でのタンパク質の動的な振る舞いをより突き詰めるべく、 植物が変化する環境に対応する際、 時間空間的に制御されたタンパク質達が生理学的にどのような意味を持つのかを明らかにしようとしています。

奈良先端大に進学された方やこれから進学を考えられている方には、ぜひ世界最高峰のサイエンスと向き合い、その出逢いの中で人生を実り多いものにされることを願っています。

【2014年03月掲載】

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