卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
金井 賢一 さん
- Max-Planck-Institute for Molecular Biomedicine
(→奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教) - 2010年度(博士) 分子発生生物学
世界のトップかつ独創的な研究をする
私は2006年に13期生として入学し、 高橋淑子教授(現:京都大学)と片岡浩介准教授のもと、転写因子の翻訳後修飾の研究に携わりました。博士号を取得後は、現所属であるドイツのMax planck Institute for Molecular Biomedicineでポスドクとして働いています。
私は大学4回生の卒業間際に進路に悩み、相談した先輩の勧めで 、 奈良先端大への入学を決めました。 当時は応用微生物の研究に興味を持っていたのですが、講座説明会で 淑子先生の話しを聞いて発生生物学への興味が強くなり、さらに先生の「世界のトップかつ独創的な研究をする」という言葉に刺激され、分子発生生物学講座への所属を希望しました。
研究生活は片岡先生の的確な指導のおかげで順調に進めることができ、また自分のアイデアを尊重してもらえる自由な環境を与えて頂いたおかげで、早い段階から主体的に研究に取り組めるようになりました。その成果は博士前期課程から学会発表等の形で実り、そこで多くのアドバイスをもらったり同世代の優秀な研究者と出会うなどの良い経験に恵まれました。奈良先端大のすばらしい点の一つに、講座間の交流が多いことや国内外から多くの著名な方が訪問され、さまざまな視点からのアドバイスが得られる環境であることがあげられると思います。研究が常に順調にいくことは稀なことだと思いますが、これらの方々と出会える機会を持つことができた奈良先端大のすばらしい環境に感謝しています。
また奈良先端大にはアメリカのカルフォルニア大学Davis校への語学研修や海外学会への参加援助などのさまざまな国際的なプログラムがありました。私は、これらに積極的に参加し、その際に海外で働いている先輩方や奈良先端大で知り合った方を訪問する機会に恵まれました。そこでセミナーの機会を与えて頂き、それらの経験を通して現所属で働くことになりました。
Max planck Instituteは、ドイツ国内にありながら多くの外国人が働くグローバルな環境にあります。恵まれた施設と自然に囲まれた歴史的な街で過ごしながら、刺激的な生活を送っています。文化の違いや言葉などの面で苦労する点や予期していなかった問題や困難も多々ありますが、多くの人たちの助けと奈良先端大で学んだ技術と知識のおかげで、順調に研究生活を過ごすことができています。 また研究以外の時間はラボのメンバー達とサッカーをしたり、ビールを堪能したりと楽しい日々を過ごしています。今後も日々を楽しみながらも、奈良先端大で学んだ事を生かし、独創的な研究に没頭したいと思います。
【2012年07月掲載】