卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
赤澤 尚子 さん
- 東和薬品株式会社
- 2009年度(修士) 遺伝子発現制御学
人々の健康を、根底から支える仕事をしたい
私は、大学を卒業後、2007年に奈良先端大に入学し、別所康全教授、松井貴輝助教のご指導のもと、遺伝子発現制御講座でゼブラフィッシュの遺伝子の機能解析をテーマとし、研究していました。新たな実験結果が出る度に、考察や今後の研究の進め方を、納得のいくまで指導教官の先生方と議論し、丁寧にご指導いただきました。また、奈良先端大は大学院大学なだけあり、志が高い学生が多かった印象があります。学生の大学での専攻分野が多岐に渡るため、様々なアプローチで研究結果を解釈することができました。そのため、常に刺激を受けながら、研究生活を送ることができました。そして、奈良先端大は実験設備が充実しており、とても研究しやすい環境でした。敷地内にある学生寮、24時間利用可能な図書館、研究室・寮から論文をいつでも入手が可能なことなど、どれをとっても、研究に専念できる環境であったと思います。
研究以外の面では、英語力を伸ばせたことが、強く印象に残っています。修士2年の夏に、カリフォルニア大学デービス校に1ヶ月間の語学研修とホームステイの機会を与えていただきました。英語教育の講義は大変勉強になりましたし、ホストファミリーや他国からの留学生との交流を通して多くの国の文化を肌で感じることができました。この有意義な経験は、私にとって大きな財産となっています。
現在、私は、黒柳徹子さんのCMでおなじみの、東和薬品株式会社に勤務しています。研究開発本部 製品戦略部に所属しており、これから当社で開発するジェネリック医薬品の企画立案業務を担当しています。自らの手を動かして製剤を開発することはなくデスクワーク中心のため、奈良先端大での研究内容が直接業務とかかわることはありません。しかし、修士論文発表会や日々のプログレスレポート等を通して学んだ「自分の考えを、分かりやすく論理的に伝える力」は、会議で提案内容をプレゼンする際に、大きく役立っています。
私は「人々の健康を、根底から支える仕事をしたい」と思い、現在の会社を選びました。当社では毎年数多くの医薬品を発売していますが、これらの開発に携わることを通してたくさんの人々の健康を支えることができ、やりがいと誇りを感じ、日々の業務に励んでいます。
大学院への進学を考えておられる皆さん。大学院生活は、研究生活に没頭できる期間です。奈良先端大では、優秀な先生方、仲間に囲まれ、有意義な研究生活を送ることができるでしょう。奈良先端大への進学を検討されている方の中には、大学を変えること、大学から研究分野が変わることに、不安を感じる方がいるかと思います。しかし、新たな分野へ挑戦することで、視野を広げ、一人の研究者としても人間としても、成長することができると思います。みなさんが充実した大学院生活を送られることを祈っております。
【2012年03月掲載】