NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

奈良 篤樹 さん

  • 長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 講師
    (→長浜バイオ大学 メディカルバイオサイエンス学科 准教授)
  • 1998年度(修士) 動物細胞工学

じゃあ、NAISTで待っているよ

奈良 篤樹さんの近況写真

はじめまして。NAIST研究生活は修士の2年間だけでしたが、その期間があるからこそ今日の私があるといっても過言ではありません。そのNAISTをなぜ大学院進学に選んだのかということと、NAISTでの教育で感じたことを綴りたいと思います。

学部での卒論テーマは、アカハライモリの精子形成に関する研究でした。夜中ミクロトームを回しては精巣の組織切片を観察し、細胞の中ではどんなことが起こっているのだろうと考えては、「細胞の分子生物学 第3版」をぱらぱらとめくり、想像を膨らませていました。しかし、細胞内のイベントの詳細を実際に解析するには、別の大学院に進学する必要がありました。転機は、当時NAISTのバイオサイエンス研究科長であった堀田康雄先生のセミナー後に訪れました。帰り際、「先生、奈良先端大を受験しようと思っています」「じゃあ、待っているよ」。NAISTに行きたいと強く思うようになりました。

NAISTにうまく入れたものの、出来の悪い私では上位希望の研究室に所属出来ず、河野研究室に腰を据えることになりました。修論テーマは、出芽酵母を用いた小胞体から出発する輸送制御因子の変異体解析でした。遺伝子や酵母を触ったことのない私に対して、直接指導していただいた木俣先生をはじめ、スタッフや先輩方の充実したサポートがあり、とても恵まれた環境でした。木俣先生の指導は、実験プロトコルの詳細を目の前で手書きをするところから始まりました。骨太の字で書かれたプロトコルを見ながらの熱っぽい説明は、パワーを貰った感じになり、一生懸命実験して成果を出そうという気持ちになりました。修論審査会のためのスライド作製の時も、私のPCの前に座り、パワーポイントに直接打ち込みながら具体的にご指導いただきました。分かりやすくプレゼンする極意を伝授されたように思います。こんな経験が現在の学生指導に生かされるとは、当時は夢にも思っていませんでした。NAISTで得た技は、今では一番の財産です。

現在、長浜バイオ大学の教員として学生の教育と研究指導をしています。大学院進学ならNAISTをまず勧めます。それは、NAISTでの教育が確かなものであると身に染みて感じているからです。

【2012年02月掲載】

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