卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
坂田 梢 さん
- 栄研化学株式会社
- 2009年度(修士) 細胞機能学
せっかく大学院へ進学するなら、研究以外の部分でもたくさん学びたい!
奈良先端大を受験する前の私は大学生ではなく「高専専攻科生」でした。高専の5年間、専攻科での2年間で、一つの学問について広く学ぶことで「技術屋」になるための技術と知識を得ました。更に、自分の視線の幅を増やすことで、将来の選択肢が無限に広がることを知りました。それが可能な場所ー大学院進学先として選んだのが奈良先端大でした。
奈良先端大では周知の通り、最先端の研究に携わることが出来ますが、授業カリキュラムも非常に魅力的です。日本国内や海外の研究者の方々のセミナーが頻繁に行われ、自分の専門に捉われずホットな話題を入手できる場所が常にあります。また英語教育の水準の高さも奈良先端大が誇る特徴のひとつだと考えます。自分の英語力の把握には、年2回学内実施されるTOEICを役立てました。また私の所属していた細胞機能学講座(現・ストレス微生物科学研究室)では、高木博史教授が海外留学生との交流として、自分の研究内容を紹介する機会を多く与えて下さいました。英語は、研究を進めていく上で必要不可欠なツールです。英語論文を読むだけではなく、会話する・プレゼンテーションするという実践体制がこれほどまで整っている大学院は奈良先端大以外に無いのではないかと感じます。「せっかく大学院へ進学するなら、研究以外の部分でもたくさん学びたい!」、そのような志を抱いている受験生の方にとって最高の環境が、ここ奈良先端大には用意されています。
現在私は、「栄研化学」という臨床検査薬メーカーで研究開発の職に就いています。栄研化学を志望した理由は、私の高専時代の研究テーマが微生物細胞を用いたタンパク質間相互作用の検出法の構築であったこともあり、「実験法」「方法論」を生み出すことに興味を抱いたことがきっかけです。入社以前まで微生物学を専攻してきた私にとって今の世界は異分野ですが、製品開発を通して多くのことを学んでいます。ただ実験するのではなく、品質管理や製造、マーケティングや営業など他部署の声を聞くことでより良い製品が生み出されていくことにやりがいを感じる毎日です。奈良先端大での研究生活で培った、自分の枠の限界を決めない姿勢は、現在の生活においても肝要とすべきことだと考えます。
奈良先端大で私は多くの人に出会い、いくつもの衝撃を受けました。文系学部から薬学部への転換を経てさらに社会人を経験した人、海外留学経験のある人、主婦でありながら再度学生へ転向した人…彼・彼女達は、何歳になっても・どんなバックグラウンドがあろうと自分の可能性を広げていけることを教えてくれました。
大学院受験を考えている皆さん。大学院も人生の中ではひとつの通過点にすぎません。大学院在学中、そして大学院卒業後の自分、将来の自分にとってプラスになる場所を見つけて下さい。
【2011年07月掲載】