NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

及川 大輔 さん

  • 群馬大学先端科学研究指導者育成ユニット・岩脇研究室
    (→大阪市立大学大学院医学研究科 分子病態学 講師)
  • 2006年度(博士) 動物細胞工学

情報を発信する能力と、そこから人的なネットワークを作り出す能力が重要です。

及川 大輔さんの近況写真

「教授は、学生を温かく見守ってくれる、お父さんのような人」という研究室ホームページの文句に引きつけられ、私は奈良先端大(河野憲二教授)に進学しました。学部時代、指導を受けていた博士課程の先輩に「研究者を志すなら、外に出て修行すべきだ。」と言われたのもその要因の一つでした。

某大学ランキングで最下位付近だった地方大学から、ランキングトップの奈良先端大に来てまず驚いたのが、研究設備の充実ぶりでした。テレビでしか見たことのない実験機器がズラッと並んだ光景は、まさに壮観でした。また、所属研究室の方針が「ここにある研究材料を使って、何をやっても良い」という主義だったことも幸いして、数多くのトライ&エラーを繰り返し、修士・博士時代に貴重な経験を積むことができました。

現在、私は、日本学術振興会特別研究員(PD)として、群馬大学でポスドクをしています。奈良先端大に在学中、あるいは卒業してからもいろいろ悩むところはありますが、結果的に、アカデミックで基礎研究一筋の人生を送っています。仕事として研究するようになり、いくつか重要なポイントも見えてきました。ごく私的な考えですが、土台となる結果(基礎研究の場合は論文や特許)は重要ですが、それ以上にポイントとなるのが、情報を発信する能力、そして、そこから人的なネットワークを作り出す能力です。これは研究に限ったことではないと思いますが、特に人脈は重要で、現に、私の研究チームのボスは、奈良先端大時代の研究室の先輩にあたります。奈良先端大は、かなりのレベルの研究設備が整っていて、カリキュラムの中に多くのプレゼン技術の訓練が含まれており、ラボ同士の交流も深く、このような能力を養うのにかなり適した環境だと思います。

奈良先端大(バイオサイエンス科)に所属する学生の進路は、研究関連分野に限ったことではないと思います。実際に、奈良先端大時代の多くの友人が、研究とは全く無縁の企業に入社し、活躍しているのを見聞きします。また、研究といっても、民間企業か大学か、あるいは国内か海外か、様々な道があります。私の場合は、アカデミックの研究者として国内で活きる道を進んでいますが、最近の厳しい状況を考えると、この選択が良いものかどうかについては、非常に大きな疑問が残ります。が、自分の選択(欲望?)に従い、将来自分の研究チームを持つことを夢見て、日々精進を続けています。今の学生、あるいは今後の入学生の方々には、自分なりの目的意識を持って、奈良先端大という環境をうまく利用し、個人の戦闘能力を磨き、さらに、奈良先端大から広がる人脈を利用して、幸せな人生に繋げて欲しいと思います。

写真は趣味のスキューバダイビング(プロ資格取得中);後列中央が著者

【2011年04月掲載】

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