卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -
平野 博人 さん
- 味の素株式会社 健康基盤研究所
- 2007年度(博士) 植物代謝調節学
奈良先端大での研究生活は今に生きていると感じます。
私は3年前に奈良先端大を卒業し、味の素(株)に入社しました。所属は健康基盤研究所という研究所で、健康食品に関するR&Dに携わっています。実際に行っていることとして、メインは分子生物学的な手法で研究を行う基礎研究ですが、健康食品原材料(植物)の栽培支援など比較的商品に近い仕事などにも携わる機会が多くあります。
こういった仕事を通じてよく思うことは、奈良先端大での研究生活は本当に今に生きているということです。分子生物学の基礎研究においては奈良先端大で日々培ってきた研究技術や問題発見および解決能力が生きています。また原材料の栽培支援は主に海外での仕事なのですが、カリフォルニア大学デービス校への短期留学制度が本当に良かったと、いまさらながら実感しています。
奈良先端大は大学院大学という特質上、修士課程の学生はもちろん、博士後期課程の学生が多く、研究に対するモチベーションが高いのが特徴だと思います。私が修士課程の学生だったころは、ラボに博士後期課程の先輩が10人以上おり、先輩方から実験技術はもちろん、研究の考え方に至るまで非常に多くのことを教えていただけました。今でも本当に良い環境で実験できていたことを実感しています。あと、個人的な意見として、私が学部のときの大学と比較して、事務の方々がとても親切なのが奈良先端大の隠れた特徴だと思っています。それから、1階のエレベーター前に卓球台が置いてあったことで、私の人生が大きく変わりました。(卓球が趣味になりました。)
奈良先端大は研究者を目指す人にとってはこれ以上無い素晴らしい環境だと思います。ただし、大学の周囲には都会のように手軽に遊べるようなところもありません。従いまして、奈良先端大に進学を決めるからにはしっかりとした意思を持つ必要があると思います。例えば、就職できないから進学ではなく、奈良先端大でしっかり研究して、よりよい就職先を見つけてやろうといった心構えでもいいと思います。実際、しっかり研究している人とそうでない人は面接のときの受け答えで、はっきりと違いが表れてきます。奈良先端大に進学するからには、『まずは研究』という気持ちをしっかり持つことが一番重要なことではないでしょうか。そういう気持ちを持っている人にとって奈良先端大の生活は非常に有意義なものになると確信しています。
【2011年04月掲載】