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シロイヌナズナにおけるCRISPR/Cas9 systemの応用した遺伝子ターゲッティング

Title シロイヌナズナにおけるCRISPR/Cas9 systemの応用した遺伝子ターゲッティング
Lecturer 三木 大介 博士(Principal Investigator, Shanghai Center for Plant Stress Biology (PSC) , Chinese Academy of Sciences (CAS))
Language 英語
Date&Time 11/08/2019 (Fri) 13:00~14:00
Venue 大セミナー室 (C109)
Detail

近年、地球を取り巻く環境は大きく変化しており、毎年のように世界各地で何らかの異常気象がニュースとなる。このような情勢の中、世界規模において毎年20〜40%もの農作物が、病虫害や環境ストレスにより損失している。農作物の損失を防ぎ、効率的に食糧増産を行うためには、従来の育種法では既に限界が近づいており、さらなる飛躍的なイノベーションが望まれる。耐病性や環境ストレスの分子メカニズムについて、様々な基礎的なデータが得られており、現在では、得られた知見をどのように農作物に応用するかという段階にきている。そのためのゲノム編集の分子ツールとして、ZFN、TALEN、CRISPR/Cas9といった配列特異的ヌクレアーゼ(Sequence Specific Nuclease: SSN)が様々な高等植物において広く用いられるようになった。しかし、SSNはゲノム上の標的配列に二本鎖切断(Double-Strand Break: DSB)を導入するため、遺伝子機能を欠損させた変異体を作出することしかできない。我々は、CRISPR/Cas9とドナー配列を用いることで、ゲノム上の標的配列に、新規なDNA配列を導入したり、アミノ酸置換を行う遺伝子ターゲッティングに、シロイヌナズナで成功した。高等植物における遺伝子ターゲティングをはじめとしたゲノム編集と、今後の農作物への応用について考察したい。

参考文献
Miki et al. (2018) CRISPR/Cas9-mediated gene targeting in Arabidopsis using sequential transformation. Nature Commun, 9:1967.

Peng et al. (2019) Gene targeting in Arabidopsis via an all-in-one strategy that uses a translational enhancer to aid Cas9 expression. Plant Biotech. J., in press.

Contact 植物免疫学研究室
西條 雄介 (saijo@bs.naist.jp)

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